CPUを選ぶさいに困るのがRyzen 9 3900Xなどの型番から性能を見極めたいとき。特にパソコンに不慣れなかたや、機械にうといと並んだ数字を見るだけで嫌になりますよね。このページではAMD製CPUのRyzenを理解するために、名前からスペックがわかるようになり、自分に最適なパソコンを選べるようにするための解説となっている。
AMDの現行CPUにはRyzen以外もありますが、その他ははぶいてRyzenとRyzen Threadripperについて書いています。
AMD Ryzenの名称ルールからCPUスペックを判断できるようにする
カメラのレンズもそうですが、名称からスペックを判断できると、自分の撮影スタイルに合わせ選べるようになる。パソコンのCPUも同じで、性能がわかれば事務用や動画編集、PCゲームなどの用途にあったパソコンを選べるようになるんです。また、いっぽ進んで自作PCなんていうハードルが高そうなことにもチャレンジできるかも。
AMD Ryzenの特徴
AMDのCPUであるRyzenにはintel製CPUにはない特徴があり、とにかくコア数が多くクロック周波数も高い、すなわち高性能なCPUといえる。Core iシリーズが10nmアーキなのに対し、Ryzenは7nmだからコアを小さく出来るのがハイスペックCPUを作れる理由でもある。しかし、スペック上だけ性能がよくてもだめなのがパソコンで、CPU以外に使っているパーツやソフトとの相性がよくないと性能をはっきできません。
それでもスペックの高さでゴリ押しできるのがRyzenですね。
最新のRyzenはzen3アーキテクチャ(第3世代)となり、製造プロセスは7nm(ナノメートル)というとても細かい配線などが使われている。ちなみにintelのCore iシリーズ最新版は10nmと、約1.4倍のスペースが必要になっている。AMD製CPUのほうが微細なぶん、コア数やクロックといった性能に直結する数値が大きくなっているのが最大の特徴と言える。
最新のzen3 Ryzenは3000シリーズと呼ばれ、最新APU(GPUを統合したCPU)の4000シリーズとは別物である。
型式のルールからスペックを知る方法
デスクトップPC用のRyzen3で名称ルールの解説していく。
AMD Ryzen 9 3950 Xのスペースで区切られているところ毎に意味があるんです。先頭部分のAMDから順に箇条書きにして解説していくので、参考にしてみてください。
Ryzenには3から9までのシリーズが有り、数字が大きくなるほどコア数もクロック周波数も多くなり、高性能なCPUといえる。そのぶん価格が高額になってしまいますが、動画編集やゲームをするなら、じゅうぶんな恩恵が受けられるでしょう。最新のRyzen 9 3950 Xは16コア32スレッドで、基本クロックが3.5GHzと強力なCPUで、最大ブーストクロックはなんと4.7GHzにもなる。
これだけの高性能なCPUなのに、OC(オーバークロック)にも対応しているんだからすごいとしか言葉が出なくなってくる。
もし事務用途のPCを考えている場合は、グラフィクが搭載されているCPUを選ぶことで、比較的高性能なパソコンにすることができます。低価格だけど快適にパソコンを使いたい場合のポイントでもあります。やはり別にグラフィックボードを積むと、どうしてもコスト的に不利になってしまいますから。
Ryzenに対応した製品の選び方
CPUはマザーボードのソケットと呼ばれる部分に取り付けることで、パソコンの頭脳として機能するようになっている。また、データの一時保存場所であるRAMメモリも、対応した世代の適切なクロックを選択することで、バランスが取れたいいパソコンができあがる。予算の関係でスペックが偏ってしまうこともあるが、スペックばかり追うのではなく、全体のバランスを考えて選んでいきたい。
Ryzen対応マザーボードのソケットを理解する
RyzenにはRyzen Threadripperという上位モデルと、無印Ryzenがあり、ソケットに互換性はないので注意しておきたい。それぞれに対応したマザーボードがあるが、ソケットと拡張性でチョイスして、妥協できる価格の中で最高ランクを選んでおきたい。
マザーボードというだけあり、パソコンの母艦となりますからね。
ソケット主な対応CPU | タワー対応 | ミニタワー対応 | スリム対応 |
---|---|---|---|
Socket TR4 (Ryzen Threadripper) | ATX | ||
Socket AM4 (Ryzen) | ATX | MicroATX | Mini-ITX |
表を見てもらえるとわかる通り、Ryzen ThreadripperはATX規格のマザーボードしかないため、Threadripperを選んだ時点でミドルタワーケース以上のサイズでしか対応できません。コンパクトなデスクトップPCを考えている場合は、コンシューマー向けRyzen以外に選択しは無いと考えておきましょう。
最適なRAMメモリクロックとデュアルチャンネルで運用しよう
RyzenはCore iにくらべるとRAMメモリのクロック周波数に気を使う機種となっている。世代によっても違うが、第3世代なら3200MHz、第2世代なら2933MHzが最適なクロックとなるように設計されている。クロックに関しては最適な速度から大きくハズレてしまうと、せっかく高性能なPCえを組み上げたつもりでも、かえって性能が悪くなるなんてことも。
もしも高速アクセス可能なRAMメモリを使いたいのなら、CPUの方もOC(オーバークロック)する必要が出てきます。しかし、初心者がOCをするのはCPUの冷却管理が必要になるため、敷居が高いとしか言えない。OCしてでも高速でパワーのあるPCにしたいなら、自己責任でググるしかありません。
また、シングルチャンネルとデュアルチャンネルでは、性能差が大きくなるため、多少の予算オーバーでもメモリの予算は落としたくない。具体的には、16GBのRAMをシングルで使うんじゃなく、8GBメモリをデュアルチャネルで使うということ。
いまは32GB以上があたりまえになりつつあり、16GBを4枚か、8GB4枚でデュアルチャネル化するのが基本となっている。どうしても予算の関係で2枚しか購入できないなら、16GBのRAMメモリを2枚で運用し、余裕が出てきてからもう2枚を後からさすのがおすすめ。使い始めてから8GBを16GBに変更するよりも、追加するほうが予算的にも少なくて住みますからね。
パソコン用途による最適シリーズ
いくら高性能なCPUを手に入れても、オーバースペックになってしまってはもったいない。そこで、当サイトで用途別におすすめのRyzenを紹介しておきます。BTOパソコンや自作PCを買うときの参考にしてください。
事務用・ホームワーク
多くの事務用PCではCPUこそ中堅どころを使っているが、メモリやGPUというCPUを支援できる、縁の下の力持ちがかけている。また、オフィスソフトのマルチコア対応もされているので、よりコアが多くクロックの高いものが求められるようになってきている。とはいえ、動画編集やCADなどのように、特別にスペックが高い必要もないのが事務用PCでもある。
ハイスペとローエンドでどう変わるのか?
Office2010から大きな変更があり、現在もその流れは同じなので、参考程度に読んでおいてほしい。
エクセルなどの表計算ソフトでは、CPUのマルチコア化に対応済みで、複雑なエクセルファイルを扱うときにも快適な作業環境を構築できるようになっている。また、グラフィックアクセラレータ対応で、GPU支援により並列処理が早くなったソフトもある。パワーポイントは図表を動かすときやビデオ挿入で重たくなりがちだが、GPU搭載PCであれば、未搭載機種にくらべると快適度は天と地ほど違う。
他にもビデオ資料などを見るときも、GPUの存在が大きくなったりする。
パソコンのもうひとつの頭脳であるGPUは、画像支援だけじゃなく事務用パソコンでも、GPGPUとしていろんな場面で使われている。グラフィック自体はローエンドでも構わないが、表示や作成が早くなるなら未搭載機種よりも搭載機を候補として上げておきたい。
もしハイスペックな仕事用PCを求めているなら、グラフィック統合型CPUのAPU搭載機種がおすすめ。APU(グラフィックを統合したCPU)を搭載したノートPCなら、GPU支援が期待できるソフトでは快適な作業ができるようになり、カスタマイズでメモリを大盛りにしておけばフリーズ回避にもなる。
動画編集・ゲーミング
動画編集やゲーム、CADなどハイスペックが求められるパソコンは、BTOにしろ自作にしろ、どのみち高額になることは頭に入れておきたい。事務用PCとの違いは、パソコンの具となるパーツ各種のスペックを、ハイエンド寄りでバランス良く選んでいくところ。選び方を間違えてしまうと、せっかくハイエンドパーツを使っているのに、あまり速くないパソコンになることも。
GPUに関しては別体型のRTX 2070 Super以上を積んでおきたい。
自身でパーツを選択する自信がないなら、BTOメーカーで販売されている「クリエイターモデル」か「ゲーミングPC」を参考にするのがいいかも。BTOを吊るしで買うのがリスクも少なくおすすめなんですけどね。
どちらがいいのかは、実際にPCを使用する場面によるとしかいえないが、4000シリーズはモバイル用CPUなので、ノートPC用と覚えておけば問題ない。3000シリーズにもGPUをCPUに搭載したAPUがあり、こちらはデスクトップPC用と考えて問題ない。