GPUの知識

動画編集をするうえで大事なのは、クリエイターとしてのセンスです。これだけは断言できてしまう。しかし、僕と同じようにセンスがない一般人は、動画編集ソフトを使う腕とPCのスペックが大事なってきます。PCゲームをやるにしてもグラフィックボードは同じように重要なパーツとなっている。

なぜなのか?

編集に慣れているとプレビューで確認しなくてもなんとかなりますが、慣れるほど毎日編集漬けになっているわけにもいかないですからね。そこで重要になってくるのが、編集スキルと動画編集に使うパソコンのスペックというわけなんです。

パソコンを動画編集用に仕上げ、4K動画の編集時にもカクつかないスペックがあれば、すぐに確認しながら編集作業をすることができる。たまの息抜きでPCゲーをやるときにも高画質で快適に遊ぶこともできる!(笑)

目次

ハイスペックGPUで快適な動画編集環境を手に入れる

動画編集をするパソコンで重要なパーツ
  • CPU
  • GPU
  • RAMメモリ
  • ストレージ

上記の4つのスペックは超重要で、今回はGPUについて解説していきます。ストレスが無い動画編集環境を構築しようと思った時に、外せないのが編集するためのPCスペックなのはわかりますよね?でも、スペックだけを追い求めても自分が理想とする環境を作ることはできません。

動画編集をするパソコンで使うパーツは、全体のバランスが良くないと変なところでボトルネックができてしまい、高スペパーツを使ったつもりが意外と遅いなんてことも。

安心して使えるパソコンは、BTOメーカーが販売している「クリエイター向けPC」なら、メーカーがパーツ選定をしいい具合に組み上がっている。やはり家電メーカー製とは比べ物にならない安定感があります。

僕が最も重要だと思うパーツはグラフィックボード

ビデオカードやGPUなど呼び方は様々ですが、すべて同じと考えていいでしょう。僕は略してグラボと呼ぶことが多いかな?販売されている多くのパソコンには、最低限のグラフィック性能しかありません。クリエイティブ系やゲームなどを快適にやりたいなら、後付のグラフィックボード搭載PCを選びたい。

動画編集や写真現像、イラスト描き、3DCADソフトなど、グラボ支援で快適になるソフトはたくさんある。NVIDIAのCUDAや汎用言語のOpenGL、OpenCLなど、特殊なプログラムを使いソフトが快適に動く仕組みをグラボが担当しているのはあまり知られていない事実だったりする。

少し前なら動画編集や3DCAD以外ならマシンパワーでなんとかなっていたけど、いまやほとんどのソフトでグラボの支援で快適に動くようになっている。以前はGPUがグラフィックにしか影響してませんでしたが、GPGPUと呼ばれるようになってからエクセルなどでもグラボの恩恵を受けられるようになった。

グラボは画面グラフィック支援の他にも動いている

現在パソコンで使われているグラフィックボードは、GPGPUと呼ばれ画像の処理以外にもさまざまな場面でCPUの負荷を軽減するように動いている。動いているといってもグラボ自体が判断して動いているわけじゃなく、ソフト側でグラボのGPUを使うようにプログラムされている。

GPGPUとは、GPUの計算能力を画像処理いがいに使うための技術で、動画編集や画像処理、3DCADなどのソフト以外でもGPUが利用され始めている。代表的なものではエクセルなどの事務系ソフトでもGPUが使われているんです。

先ほども書いたとおりに、「CUDA」「Open GL」などを使えるようにプログラムされているということ。「Open GL」は汎用プログラムで動かしますが、「CUDA」に関してはNVIDIAのGPU独特な機能となっている。もし自分が使うソフトが「CUDA」でしか高速化できないようになっていたら、使用するグラボはNVIDIAを使うしかありません。

逆にOpen GLでしか補助してもらえない動画編集ソフトでは、NVIDIAとAMD両方使えるから好きなメーカーで選んで問題ありません。

動画編集で特に大切なGPUですが、多くの処理をCPUでも行っているので、目的の解像度で編集するのを念頭にバランス良く導入するのがいい。例えば4K60p10bitの動画素材でこった編集する場合には、Core i9 10900くらすのCPUとRTX 2070 Superなど上位のグラフィックボードが必要になります。無くても編集自体はできるけど、再生したときのプレビュー表示がラグいので、快適な動画編集環境とは言えなくなりますね。

GPUとは

先ほどから「GPU」や「グラボ」なんて表現をしてますが、いろんな呼び方があるので自分で検索できるように用語だけは覚えておいたほうがいいかも。

グラフィックボードの類義語
  • GPU(グラフィックチップ)
  • dGPU(Discrete:分離型)
  • iGPU(Internal:内蔵型)
  • グラフィックボード(略してグラボ)
  • ビデオカード

GPUとは、グラフィックボードなどに入っている画像などの計算専用のCPUみたいなもの。画像をディスプレイに表示するには、GPUを使って計算した結果をディスプレイなどの画面に表示させている。いっけんするとGPUを搭載していないように見えるパソコンも、中にはしっかりとGPUが入っているんです。

dGPUにしろiGPUにしろ写真や動画などを画面に表示するのに必要になってくる。

ゲームなどで水の反射などを表現する場合にも、リアルタイムレイトレーシングという技術で特殊な計算をGPU内でおこなっている。ちなみにレイ(視線)トレーシング(追跡)なので、視線に対応したリアルな反射属性を実現させていることになる。今後は3Dソフトなどでレイトレのハードウェア対応がすすんだら、3D業界は一気に進化するかもしれませんね。

NVIDIAのGPUならRTXシリーズからリアルタイム・レイトレーシングに対応しています。

大昔のパソコンには、マザーボードにグラフィックチップ(GPU)が搭載されてた時期があり、その頃は間違ったマザーボードを買うと画面すら表示できないという罠がありました。(笑)昔は自作PCのハードルも今よりはるかに高かったんです。

どうしてハイスペマシンには分離型GPUが必要なのか

GPUには内蔵型と別体型があるが、なぜGPUをCPUとは分離させて搭載するのがいいのか?

それぞれにメリットとデメリットがあるが、コストのことを考えなければ分離型にはデメリットが無いと言い切れます。CPU一体型のGPUがだめな部分は、映像をディスプレイに映そうとした場合に、CPUの計算機能やRAMのメモリ帯域を共有しているところにある。

なぜCPUやメモリの共有がダメかというと、クリエイターさんなどが使う重量級のソフトを使う場合には、機能を共有することで処理能力が極端に落ちてしまうから。

フォトショップやプレミアプロ、インディザインなどの業務用ソフトを高速に動かしたいなら、分離型GPUのハイスペグラボを使うのが一番です。もちろんCPUとのバランスも考えないといけないところが難しいところでもありますが。

もう一点考えておきたいのが熱処理の問題

CPUやGPUが計算処理をする時は熱問題がでてくるのはご存知でしょうか。CPUとGPUを独立させることで熱処理の効率化をはかったり静音化にもつながるのはわかりますよね。熱処理問題はノートPCととデスクトップPCとの比較でも言えることですが、やはり大きい筐体で余裕を持った作りのほうが何かと問題がでづらくなってくる。

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  • ケースに合わせ大きめなもの
  • ミドルタワー以上のPCケース
  • ノートPCとデスクトップではグレードが一緒でも性能は違う

小型のものより大柄な余白のあるGPUを選ぶこと、大きいグラボを搭載できるだけの余裕あるケースというと、性能が高いのはデスクトップPCということになります。事務系ソフト以外を使いたいのであれば、ノートPCはあくまでもサブPC扱いで考えたほうがいいです。

GPUも画像作成以外の用途で使われている

GPUは画像処理だけじゃない。実はエクセルやワードといった事務ソフトの処理も行っていたりする。

上の方にも書いておきましたが補足として。

画像以外の処理もこなすGPUのことを「GPGPU」と呼び、内蔵型・分離型問わず現在の主流はGPGPUである。普段CPUコアがやっている処理の一部を負担することで、一般的なソフトも高速化されていることはあまり知られていない。内蔵型のiGPUも性能はどんどん上がっています。コンパクトなノートPCで高速化させるにもGPU搭載モデルを選ぶ理由にもあります。

もちろん会社が準備するような事務パソコンはしょうがないとは思いますが、自身が決定権を持っているなら事務パソコンにもGPU搭載モデルを採用検討してください。まちがいなく業務効率が上がりますから。

GPU性能だけじゃなくVRAMメモリにも注目してほしい

グラフィックボードの性能はGPUコアとVRAMメモリの搭載量ではかることができる。通常GPUコアが同じであればVRAM搭載量がメーカー間で変わることはないが、同じGPUを使っているのにVRAM搭載量が違うことがある。

グラボを買うときにはGPUコアのグレードで価格はほぼ横並びだから、あまりにも価格が安い場合は他のボードとスペックを比較して、実はVRAMが少なかった…なんてことにならないようにしたいですね。グラボの性能が高ければ当然VRAM容量も大きいので、購入するときは少しでもVRAMが大きいものを選ぶようにしてください。

グラボを選ぶときの注目ポイント
  • GPUコアのグレード(RTX 2080 tiなど)
  • VRAM容量(VRAM 11GBなどの表示)
  • グラボの長さ(大きいものでは300mmにもなる)
  • GPUファンの数や大きさ(大きいものほど静かになる)

同じグレードのグラボでもVRAMメモリの搭載量に違いがあるモデルもある。購入するときにはVRAM容量にも注目しましょう。

GPUとVRAMの関係はCPUとRAMの関係に似ていて、メモリーが潤沢に搭載されていれば一度に処理できる情報も多くなる。GPUで扱うデータはVRAMで一時保存されるから、高性能なGPUほどVRAMメモリ容量が多くなるんですよね。高性能なワークステーションやサーバーに、高性能なCPUやたくさんのRAMメモリが積まれているのと同じ理屈なんです。

GPUはCPUよりも並列処理が得意

僕が使っているPremiere Proでは、NVIDAのCUDAを使いCPUの補助をしながら、編集ソフトを高速に動かせるようになっています。無料でも使えるDaVinci Resolveでも同じこと

動画編集ソフトに限らず現在では多くのソフトウェアでNVIDIAの「CUDA」を使い、アプリケーションが高速に動くように作られています。並列処理のプログラムは他にもOpen CLやOpen GLなどがありますが、いずれも汎用プログラムなのでNVIDIA GPU+CUDAの専用設計による処理にはかないません。

AMD Ryzen登場以降はAMDのグラボも高性能化しました。AMDのCPUやグラボにソフトウェアでが最適化してくるのはこれからなので、現時点でのおすすめはやはりNVIDIAのグラフィックボードとなります。

一度使うと「CUDA]なしではソフトを動かしたくなくなるほどなんですよw

CUDA™とはNVIDIA 社の革新的な並列コンピューティング アーキテクチャです。
ハードウェアとソフトウェアを有効にする テクノロジーとして、CUDA は1つのグラフィック プロセッサ内で多数のコンピューティング コアの使用を可能にすることで、演算速度を劇的に速めると同時に汎用数値計算の処理も可能としています。

CUDA は医学画像や財務モデリング、エネルギー探査などの分野における科学や研究の応用に活用されています。また、モバイル端末や画質の向上したコンピューターにおけるビデオ チャットなどの新しい世代のエンド ユーザー向け顧客アプリケーション作成にも役立っています。

NVIDA CUDAとは

動画編集にコスパバツグンのグラフィックボード

動画編集で現在主流なのは、NVIDAのRTX 2070 SUPERというGPUを搭載したモデルです。

僕はGTX1080とi7 8700Kを使っていて、4K30p10bitの動画をやっとこ編集できているところ。CPUを同じソケット(LGA1151)のi9 9900に交換すれば、上記の動画のような重たい映像も編集可能になるんですけどね。

マザーボードにはソケットと呼ばれるCPUを取り付ける部分があり、規格が変わると別なCPUとは互換性がなくなる。詳しくは下記ページを参照してください。

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GTX 1080とほぼ同じ性能と言われているRTX 2070 SUPERは、RTX 2080 tiという最上位モデルの半額以下で買える。もちろん予算がたくさんあるなら、より高性能なモデルを選ぶべきですが、パソコン全体の予算に応じて選択すべきでしょうね。

現在、BTOパソコンや自作パソコンを使っているなら、RTX 2070以上のGPUを搭載したグラボに交換したほうが無難だったりする。これからパソコンを購入するにしても覚えておいて損はないかと。

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