電源パーツの選択

自作でもBTOでもいちばん理解しづらいのが電源ではないでしょうか。理由は簡単でみなが苦手意識を持っている電気関連のパーツだからなんですね。理解してしまえば選び方もかんたんだし、BTOパソコンならメーカーさんがいい具合に選んでくれる。自作PCの作り方で一番の選びづらい電源周りの選び方を解説していきます。

読むのが面倒なかた向けにおずずめの選び方をざっくりと説明すると、CPUとグラフィックボードで使われている最大電気消費量の200%に近づくように電源を選んでおけば安心できるということ。少ない容量でも動きますが、故障の原因にもなるので注意が必要。

電源計算機がああるので、使いたいパーツが決まっている場合は、容量を計算するのに使ってみてください。

目次

電源ユニットの選び方

電源は故障率が高いのはあまり知られていないことなんですけど、壊れない電源を選ぶためにはそれなりの知識が必要になってくる。間違いないのは電源容量に余裕をもたせたシステムですが、いったいどういったシステムを組めば故障率を減らせられるかを書いていきます。

ギリギリの電力で電源を決めてしまうと、負荷が大きくなり電源ユニットが壊れやすくなる。壊れないようにするためには、多めの電力量を目標に電源容量を決めていくというのがセオリーとなっている。

主要パーツの2倍容量で選ぶのが基本

結論から言うと、使用電力の倍を目安に電源を選ぶことなんです。

しかし、電源ユニットのクラスでも変わってくるのが難しいところ。ゴールドやらプラチナなどのクラスが有り、高級なイメージのクラスになるほど、電力変換率が上がってくるから余裕をもたせることができるんです。

ざっくりと調べる場合ほうほうは、電力消費の大きいCPUとグラフィックボードのおよそ2倍にあたる容量を目安に、電源ユニットを選択するというもの。SSDやファンなどの消費電力は、CPUなどと比べると小さいから、プラスアルファーで50w前後を考えておけば大きな問題はない。

電源効率は80%が基本だから主要パーツの倍容量を狙う

電源ユニットに一番負担をかけないのが総容量の50%となっている。また、容量の50%前後が効率もよくなっているから、負荷も一番減るという考え方なんですね。下記は電源のランクに優劣をつけたものになり、Titaniumがもっとも変換効率の良い電源となっている。

TITANIUM>PLATINUM>GOLD>SILVER>BRONZE>STANDARD

最後だけ金属名じゃないのはナゾですが、イメージとしてより高級なものほど効率がいいことになっている。通常はGOLDランクを選択しておけば問題ありませんが、気になるのならより高価なものを選びましょう。いずれも80Plusという規格になっていて、電気変換効率が80%以上担保されている電源となっている。

80Plus規格のGOLDを基準にして予算感を決めておきましょう。

例としてCPUとグラフィックボードの電力量を300wとしておきましょう。そこに50wぶん足してあげると350wの消費電力がみちびかれます。この数値を倍にしてあげると700wの電源が必要との結果が出てきます。この計算ではCore i9 9900KFにRTX 2070Superとして計算しているので、ハイエンドクラスのマシンではおおよそ700w以上の電源を確保したいという結果になりました。

CPUとグラボの消費電力(参考値)

TDPCPU
125WCore i9 10900K
125WCore i7 1700KF
105WRyzen 9 3950X
105WRyzen 7 3800X
95WRyzen 5 3600X
消費電力GPU
250WRTX 2080 ti
250WRTX 2080 Super
215WRTX 2080
215WRTX 2070 Super
225WRadeon RX5700XT

上記の表を見てわかる通り、上位グレードのものほどTDPや消費電力が高くなる傾向にあり、ハイエンドPCには大容量の電源が必要ということがわかります。世代が進むごとに電力消費量が多くなるのではなく、時として前のモデルよりも電力量が少なくなることもある。

パーツ単位の製品スペックもしっかりと確認しておきたいところ。

フォームファクタ(形状)を選ぶ

フォームファクタはフォーマットと言ったほうがわかりやすいかもしれませんね。選び方としては、マザーボードの規格の、ATXやMicro-ATX、Mini-ITXなどのマザーに合わせた電源を選べば問題ありません。サイズを大きい方か並べると

ATX>SFX-L>SFX

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上記が電源のフォームファクタとなっていて、ATX以上ならATXを、一番小さいMini-ITXであればSFXをという具合に選択していく。電源規格は幅が決まっていて長さは決まっていないので、ATX対応になっているPCケースのミドルタワー型でもATX電源が入らないものあるので注意しておきたい。

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配線はプラグイン型を選べば自作しやすい

電源から各種パーツに配線するためには、いくつかの種類があり配線のしやすさは下記のようになっている。

フルプラグイン>セミプラグイン>直付け配線

動画編集などに使うようなパソコンの場合は、ハイスペックモデルが多いので心配はしていませんが、できる限りフルプラグインタイプを選んでおきたい。特に注意したのが、電源容量が小さいものだとグラボに挿す電源が足らないものもあり、グラフィックボードに補助電源を使う場合には、PCIeコネクタに8ピンがあるかも注視しておきたい。

ハイスペックなグラボになるほど補助電源が必要になり、RTX 2080 tiなどでは8ピン電源を3本使うものもあるので、電力消費量の多い最高スペックのグラボには特に注意が必要になってくる。BTOパソコンであれば気にするところではないですが、自作PCの場合に電源の本数が足らないなんてことにならないようにしてください。

あまり安い電源は避けたいからグレードから選ぶ

安い電源の何がダメなのか。理由は単純で、内部に使われているコンデンサーなど、機械部品の品質の問題なんです。

安いから壊れやすいイメージで有名な中国製品ですが、最近は品質が高いものもあり、そういったものは価格も高めになっている。品質が上がると価格に跳ね返ってくるから、おのずと良いものは高いという公式が成り立つ感じです。もちろん詐欺まがいの製品もありますが、そういったものは人気が無いし、すぐに市場から消えてしまいます。

安ければ壊れやすいということは中国人でも知っている事実です。安さだけを追うのではなく、故障率の低い品質のほうに注目して製品を選ぶようにしましょう。

電源の80PLUS規格で言えば最低でもGOLDランクあたりを選んでおきたい。

電源はCPUやマザーボード並みに大事なパーツなので、コストを下げすぎるのは良くないと断言できます。

ハイスペック動画マシンには1000wくらいの電源が最適解

グラフィックボードを積むだけでも電源の要件は厳しくなるが、使用目的が動画編集と求めるスペックが跳ね上がり、最低でも1000wクラスの電源を選んでおきたい。予算に合わせるべきですが、余裕があるならより大容量の電源を確保しておくのがおすすめ。

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